クレオパトラとサフラン

「クレオパトラとエジプトの王妃展」が東京国立博物館で7月11日から9月23日まで開催されています。
 クレオパトラと聞くとサフラン専門店の店主としては、風呂にサフランを入れて入浴していたというイメージを思い浮かべます。

 あらためてインターネットでクレオパトラとサフランの関係について調べると日本語のサイトでは化粧品として使っていたなどの記述が見つかりますが、具体的にどのように使っていたかについて説明しているものは見当たりません。
 日本語だけではよく分からないので英語のサイトや文献を調べてみると、やはりクレオパトラはサフラン風呂に入っていたということで有名なようです。

 サフラン風呂はクレオパトラより約300年前に生きていたアレキサンダー大王が好んで入っていました。アレキサンダー大王は外傷を癒すのにサフラン風呂が効くと考えて入浴していましたが、クレオパトラは違う目的で入っていました。

 クレオパトラがサフラン風呂に入るのは男性を迎えるときで、サフランに性的な快感を高める働きがあると信じていたようです。クレオパトラが入ったサフラ ン風呂は、カップ1/4ほどのサフランを体が浸かるだけのお湯に入れたもので、お湯が温かいあいだ浸かり続けるのだそうです(Willard, P. (2002), Secrets of Saffron: The Vagabond Life of the World's Most Seductive Spiceによる)。

 クレオパトラが期待した効能はともかく、アレキサンダー大王が信じた傷を治すという効能が本当かどうか、すり傷を負ってくる息子に試してみようかとも思いましたが、サフラン風呂に入ると肌が少し黄色に染まるようで、ちょっと気が引けます。